OMG Technical Meeting, March 2009について

OMGのホームページを見て頂くと分りますが、来月(3月)開催されるTechnical会議の情報が掲載されています。

内部でどんな方向に進もうとしているのかは会員でないと分りませんが、Special Event情報のところが目を引きます。キーワードとして

  1. BPM
  2. SOA
  3. Green Computing
  4. Cloud Computing Interoperability
  5. Semantic Technology

があげられており、以前の参加者の目からは(BPM・SOA・Semantic Technologyは以前から手がけているため)Cloud Computing Interoperabilityが新しい方向のように思えます(Green Computingについては中身次第ですが今のところ判断材料がありません)。OMGは以前から新しい分野については良くWorkshopを開催しており、それが最終的にOMGの標準化活動に取り込まれるケースもありました。標準化団体の間の取り決めのようなもので、競合する標準化は避ける、というのがあります。Cloud Computingの相互運用性については既に幾つかの団体がありますので、このワークショップは分散オブジェクトとモデリングの観点からOMGに何か出来ることがあるかを調べるのが目的のような気もします(個人的な感想)。以前から書いていますように、Cloud ComputingがSOAの発展形であるとすれば、OMGも分散オブジェクトというSOAの起源のひとつのテクノロジ保有者として何か活動が出来るかもしれないということだと思います。結果については会議後に出るプレスリリースに期待しましょう。このワークショップのアジェンダが公開されています。

  1. Strategies & Technologies for Cloud Computing Interoperability (SATCCI) Workshop 

それから、Special Event情報の中にBPM Consortiumという名前が見えます。これはBPM関連の標準化(例えばBPMN)を検討しているメンバがSOA Consortiumを見習って作った新コンソーシアムですが、まだまだ活動が盛り上がるところまでは行っていないようです。今後ある程度の数の会社がメンバとして揃えば要チェックになる可能性はあります。

最後に、このTechnical MeetingはワシントンDCでの開催のため、OMG/OMG技術部会及びOMG会員の米国政府の省庁との打ち合わせの場(政府の要件を聞かせて貰ったり、逆にOMG標準やそのノウハウを提供したり)的要素も少しあります。

OMG Technical Meeting, March 2009について

“MIT Unveils 90 MPH Solar Race Car”

週末ですので、息抜きを兼ねて本題からはずれたWIREDの記事の紹介です(これも自然エネルギー関連の話題です)。

  1. MIT Unveils 90 MPH Solar Race Car

日本でも多くの取り組みがあると思いますし、テレビでソーラーカーレースの話題を見たことがありますが、これはなかなか格好が良いです。ステルス機のような感じもします。90MPHというのは時速145kmくらいですね。

  1. ソーラーカー(日本語版Wikipedia)
  2. ワールド・ソーラー・チャレンジ(日本語版Wikipedia)

レースで優勝するソーラーカーは平均でも時速90km以上の速度を維持するようです。こうして培った技術が一般に利用できるようになるまで後何年かかるのでしょうか。期待して待ちたいですね。

“MIT Unveils 90 MPH Solar Race Car”

MashupとSOAについて

前回のポストではSOAとDDDそしてプロセスの関係について感想を書きましたが、今回はそこにMashupを追加したいと思います。

Mashupという言葉自体は中立的な言葉ですが、実際は個別に使えるサービス(Webサービス等)を簡単に組み合わせ意味のあることを実現するものだと思います。一例としてYahoo Pipesを取り上げます。これがデビューした時に幾つか作って遊んでみたのですが、例えば気になるRSS Feedの出力をフィルタにつなぎそれを出力するといった「ダイアグラムを使ったプログラミング」が出来ます。UnixのPipeにヒントを得たことは確かで、そういう背景を持つプログラマも多数参加しています。しかし同時に、まったくそういう背景を持たない一般ユーザも結構いるということです。何しろ簡単で役に立ちますから。

Pipesで出来ることを良く考えてみると、利用できる各種サービスと(Mashupの)制御構造の部品が提供されていてそれをワイヤリングするというものです。得たい情報を得ると言う目標(Business Objective)を達成するために、(意識するかどうかは別として)プロセスをユーザに定義させ、そのプロセスの中から「利用できる各種サービス」というサービスを使う、言い換えるとサービスを組み合わせてプロセスを実現する仕組みになります。このあたりが前ポストの話題に近いことが分ると思います。この各種サービスは当然SOAのサービスでも良い訳です。そして一般ユーザがサービスとして意識するのは主にビジネスサービスであり、これがDDDとの関連に近い点です。

しかし、こうして定義したユーザのPipeを新たなサービスとして別の利用者が使えるなら、それはサービスがプロセスで実現されている例にもなります。

ということで、鶏と卵の議論に近い話かもしれませんが、現在の流行り言葉(Mashup, SOA, DDD, BPM)の相互関係がPipesの例からも観察できると言えます。

MashupとSOAについて

“SOA and DDD”について

再度InfoQの記事についての感想です。

  1. SOA and DDD

SOAにおけるサービスと、少し前のコンポーネントベース開発(CBD)のコンポーネントを比較検討しており、サービスはビジネスよりの制約を持ったコンポーネント(ビジネスコンポーネント?)相当だとし、むしろSOAのサービスはDDDでり扱う概念(Ubiquitous Language)相当に近いのでは、と言っているようです。

元々SOAの議論には、サービスを一般的なサービスと捉える人からビジネスサービスに限定して捉える人まで、かなり幅広い捉え方があります。この記事はビジネスサービスに近づけたほうが良いと言う主張を紹介しています。DDDで取り扱う概念に近づけ、ビジネスサービスだと言うと、確かにそれはそれで一つの世界になりますが、閉じた世界になるかどうかが問題のように思います。

主題から少し離れますが、このようにするとビジネスサービスのプロセスとの関連が曖昧になってきそうです。ビジネスサービスを実現するのがビジネスプロセスなのか、ビジネスプロセスを実現するためにビジネスサービスが使われるのか、それともそのハイブリッド形態なのか、というような話です。また別の課題として、DDDの考え方に基づくと、どうしてもドメインエンティティ中心の比較的単純なUI設計になってしまい、ユーザから何でも出来る(複雑な)UIを要求されるとマッピングを取るのが大変かなという気がします。

元の記事の結論部分まで飛ぶと、結局皆の合意できる「これこそがSOAのサービスの定義」というものが無いことが問題とされています。余り面白くない結論です。タイトルにある「サービス指向アーキテクチャ」と「ドメイン駆動設計」は言葉としては別の世界を記述するもののように思えますが、この記事はそれらを合体させた「ドメイン駆動サービス指向アーキテクチャ設計」といったものを示唆しているようです。

“SOA and DDD”について

欧州でモデル駆動が盛んな理由について

欧州、特に英国、仏国、独国の3カ国にはモデル駆動やアーキテクチャがらみの研究プロジェクトや製品が多くあります。「欧州には」というのは、特に米国や日本と比較した場合という意味です。以前からこれ(欧州で特に活発という事実)が不思議だったので、一度ならず欧州の人に質問しました。そのうち英国の大学の先生からの回答がなんとなく当たっていそうでした。それは、元々欧州ではアカデミックな世界でアーキテクチャやモデリングの研究が盛んであったし、欧州共同体が資金を出す研究プロジェクトが数多くあり、そこに多くの研究者が流れ、そしてそういう人達が研究プロジェクトでの成果をベースにモデリング関連ビジネスを始めているのではなかろうか、というものでした。他にも、欧州では論理的なものが好まれるという感想もありましたが、やはり底辺が広いということでしょうか。

こういった研究プロジェクトのかなりの部分が欧州中心からeclipseの提供するよりオープンなコミュニティに移行してきています。そういう意味で以前紹介したEclipse Modeling Projectについてにあるリンクは欧州の状況を垣間見ることのできるものかもしれません。もちろん、eclipseに合流していないプロジェクトも沢山ありますし、またモデリングと言う意味では米国勢も参加しているため、このリストだけ注目するのは正しい態度でないのでしょう。

eclipseはともかく、過去に参加した標準化活動でも欧州の人達はハイレベルの議論が得意だということは日本からの参加者は良く知っています。逆に米国勢は議論が具体的で分り易いと感じています(内容にもよると思いますが)。

現在のところモデル駆動のツールやシステムは利用もそれなりに難しいため、思ったほど普及していないと思います。今後我々日本人が得意な使い勝手の改善を重ねればWiiのように使いやすいツール群に変身させることが出来るかもしれません(!?)。関心のある方は何かが出てくるのを待っていないで手を動かしてみましょう。

欧州でモデル駆動が盛んな理由について

OMG文書の正しいアクセス方法について

このブログでOMGの標準仕様について良く触れていますが、実際にどうすればOMG標準文書にアクセス出来るかをきちんと説明したものが無さそうなので、ここにまとめてみようと思います。

まずあなたの会社なり大学がOMGの会員の場合には、OMGへのコンタクトを受け持つ人がいるはずで、その人にあなたがOMG情報にアクセスしたい事を伝え、OMGの担当者のメールアドレスを教えてもらってください。それが分かると、あなたの名刺に書かれているような情報を提供する事でOMGがID番号を発行してくれます。それを使うと、審議中や検討中のworking documentやプレゼン資料など、何でも手に入ります。この場合、最も役に立つのが

  1. full document search

のページで、ここでIDとパスワードを与えると、年度とグループ別で全文書のタイトルと文書のURLが分かり、欲しい文書を入手する事ができます。

次に、あなたの会社や大学がOMGの会員ではない場合や会員であってもあなたの情報をOMGに登録したくない場合です(こちらの方が重要な情報かもしれません)。基本的にはOMGが公開している情報だけしかアクセス出来ませんが、それでもかなりの文書にアクセス可能です。最初にすべき事は、出版公開済みOMG仕様のページを見る事です。それは

  1. Catalog Of OMG Specifications

のページへのアクセスです。このページの下の方に標準の分類がありますので、必要な分類をクリックするとその分野の公開仕様のテーブルが表示されます。そこにある仕様には安心してアクセス出来ます。次にアクセス出来る箇所としては

  1. OMG Public Document Listings

があります。このページでSelect SubgroupsとYearsの二つを指定しsearchをかけてみてください。それから、多少古いものが多くなりますが、過去のワークショップ情報のページにも(時には)役に立つ情報があります。

  1. Proceedings Of OMG Workshops

これら以外にも、OMG会議の後に発行されるプレスリリースの中に承認された仕様のURLが入っていたりしますので、あちこち探せばそれなりの収穫はあると思います。

なお、念のためですが私はOMGの回し者ではありません。以前参加していたのでこういう知識が有るだけです。また参加(復帰)する可能性はありますが。

OMG文書の正しいアクセス方法について

EDS’s Next Big Thing Blogについて

EDSという会社のことはご存知だと思います。この会社のFellowの人達がNext Big Thingについて語るブログがあり、私も時々眺めています。

  1. EDS’ Next Big Thing Blog: Read and Respond to What the EDS Fellows Say About Technology

かなり頻繁に更新されるのですが、現在の最新エントリは

  1. Value Chain Modeling Is Essential for SOA Management

というものです。この文章を書いている人はOMGのBusiness Modeling and Integration DTFの議長をしており、そういえば昨年Value Chain Modelingの話をしていました。彼は次の本も書いています。

  1. BUILDING THE AGILE ENTERPRISE

ビジネスモデリングの立場からはSOAは一種の環境(プラットフォーム)であり、その上でビジネス側ですべき仕事が沢山有るということだと思います。他にも多数標準化候補の項目があるためValue Chainはその一つという位置づけだと思います。上の本では他にも多くの考慮すべきビジネス寄りの事項(モデルとして表現)が含まれています。ただ、多少網羅的要素が強い点で好き嫌いが出るかもしれません。

このブログはタイトル通り新しい話題が随時拾い出されており、時々眺めると役に立つ話題が見つかるかもしれません。カテゴリで気になるものを調べる方が能率的かもしれませんが(例えば”BPM”カテゴリには9エントリありますし、”SOA”カテゴリは34エントリあります)。

EDS’s Next Big Thing Blogについて