標準化について(通信編)

標準化について、3回くらいに分けて感想を書きます。1回目は通信編で、OSIとTCPの話です。2回目は分散処理基盤(ミドルウェア)関連の話、3回目はモデリング言語の話、を予定しています。

最近の方はご存知無いと思いますが、昔は通信の標準化活動といえばISOとCCITTが推進していたOSIだったのです。例によってWikipediaを参照します。

  1. 開放型システム間相互接続
  2. Open Systems Interconnection

このWikipediaのエントリで批判的コメントが書かれていますが、最終的には通信の標準はIETFで推進していたTCP/IPのスタックになりました。OSI側に参加した一人として、このあたりにコメントするなら

  1. ISO/CCITTの標準は権威を持っていますが、標準策定の参加者が限定的であったこと、開発速度が遅かったこと、種々の提案を取り入れたためにオプションを多く含む規格となり実装が困難になり(その結果、オプションを絞り込んだ機能標準という別の標準を作ることになりました)、また実装が出来た場合でも一般向けというより大企業向けのものとなることが多かったと思います。また、グローバル企業が世界各国からの代表にその企業の人を送り込むなどの良くない事例もありました。
  2. 一方IETFのTCP/IP関連標準化は、(実は企業がスポンサーだったとしても)個人レベルで参加でき、メーリングリストを活用して日々オープンな形で議論を進めたため、RFC開発の速度はかなり早いものでした。また(多少品質に問題があっても)実装例にアクセスも可能なことが多かったように記憶しています。TCP/IP関連標準化でスポンサー企業が付くケースでも、そうであることが比較的簡単に分るため、多くのその他の参加者にとって対処しやすかったのではと思います。

オープンな議論は発散する危険性も含んでいるものの、実際にやってみると、本当の専門家たちが集まることや運営方法に気をつけることで、機能することが証明されたのだと思います。現在のオープンソース、オープンプロセスそしてオープンイノベーションなどの流れの源流(一部?)はこのあたりにあるような気がしています。

標準化について(通信編)

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