標準化について(ミドルウェア編)

世の中でミドルウェアと呼ばれているソフトウェアのカバーする領域はかなり広く、ここでは分散処理基盤という意味で使うことにします。分散処理基盤というのは、地理的に離れた箇所に有るコンピュータシステムを、まるで一つのシステムであるかのように使えるようにする技術で、それを実現するためには多くの「縁の下の力持ち」的機能が必要になります。従って標準化するとかなり分厚い標準になってしまい、開発者でないと読まれなくなってしまうものです。

現在OASIS、W3C、WS-IなどでWeb Servicesの標準化が進められていますが、振り返ってみると、Apollo DomainやSunのワークステーションなどの時代に使われたRPCという技術から、それまでの通信プロトコルを直接操作するようなAPIから分散透過性の一部を実現し始めたのではなかったかと思います。

その後、前回書きましたOSIの世界でもMHSといわれたメッセージング標準やOSI RPCなどの標準の策定が行われました。

その次に現れたのはOSFのDCE(分散コンピューティング環境)でした。この仕様は確かX/OpenでAPI標準の形で標準となったと思います。この頃は業界が二つの陣営(OSFとUnix International)に分かれていましたので、業界全体での標準化推進にはなかなか向かいませんでした。

そしてOMGのCORBAが現れます。アーキテクチャから始めて、何年もかけて広い機能範囲を供えた標準となりました。個人的にはこれでこのレイヤーの標準化は終わるのかと思っていたのですが、Firewallを通過できない、IDLが分りにくい(?)、など良く分らない理由により、より手軽にFirewallを通過できるHTML/HTTPベースのWeb Servicesが出てきました。機能的にはCORBAで標準化したものを改めてWeb Services用に作成する必要があるため、何度も同じことを繰り返しているような感覚を憶えました。それが今日の基盤などにも引き継がれてきていると思います。

分散処理基盤としては、上記以外にもメッセージキューイングのシステム、イベントベースのシステム、組み込み・リアルタイムシステム用、など別のものも存在します。このような代替わりや多様性を見ると、今後を考えてもこのレイヤーで真の意味での標準が現れる可能性は低そうですし、OMGがMDA(モデル駆動アーキテクチャ)を言い出したのは自然なことだったのだろうと思います。

整理すると

  1. 分散処理基盤(ミドルウェア)領域の標準化は何時までも続く可能性が高い
  2. そのうちの幾つか(の標準化)を経験すると、Platform独立な世界の価値も理解できるようになる

クラウドの世界になっても、各クラウド上で用いられるミドルウェアがあり、それが進歩する可能性が常にありますし、Intercloudを実現する機能もミドルウェアの一部になるのでしょう。

どうも「ミドルウェアの世界の標準には(他の技術分野より短い)賞味期限がある」という気がします。それを承知で取り組めばいい勉強が出来ると思います。

標準化について(ミドルウェア編)

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